夏のおたのしみ桃サンド 

食の時間をことに大切に暮らす陶芸作家の松塚裕子さん。
桃の季節ならではの記事をお寄せくださいました。
読み終わったら、すぐに桃を買いにいきたくなりますよ、きっと。

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今年も大好きな桃の季節がやってきた。
箱を開けると、ふわふわと光る産毛につつまれた美しい色の桃がごろごろ。
小さな生き物を愛でるようにそっと手の平にのせて、
しばしその手ざわりや重みを楽しむ。
追熟を待つあいだに、部屋の中にひろがる香りまで甘くおいしい。

果物はまるかじりが一番!という家だったので、
夏の朝には洗っただけの桃がそのままごろんとお皿にのってでてきた。
実をきずつけないよう、淡い色した薄紙をはがすように慎重に皮をむいて、
クリーム色の果実をがぶり。
起きたての、額にぺっとりと張り付く髪もそのままに、
あふれる果汁で手をべたべたにしながら無心で食べる桃の美味しかったこと!
物心ついてから、よそのお宅で美しいくし形に切りそろえられた桃が出てきたときは、
「桃ってこうやって食べるんだあ」と心底おどろいた。
桃サンドのことを知ったのは、
どこかで読んだ川上弘美さんの短編小説だったと思う。
そこに出てくるのは、切った桃を食パンにはさむだけのシンプルなものだった。
桃のみずみずしさをパンで受け止めるようにして食べる場面がずっと心に残って消えなかった。

さまざまな記憶の中の桃の姿を追いかけながら、
この夏何度もくりかえし作った桃サンド。
まるかじりを存分に楽しんだのち、
夏の昼下がりにしっとりと冷やして、ぜひ召し上がってみてください。

材料 
桃 1個
サンドイッチ用の薄い食パン(おすすめは10枚切りのもの) 4枚
生クリーム(乳脂肪分が40以上のもの) 150ml
砂糖 大さじ2~お好みで
水切りヨーグルト 大さじ3~お好みで
※ヨーグルト200mlをコーヒーのフィルターに入れて一晩ほど水切りしておく
レモン果汁 大さじ1

1・桃の皮を丁寧にむいて、くし形に切り分ける。変色しないようにレモン汁を振りかけておく。

2・生クリームに砂糖を加え、氷水にあてながらとろんとするまで泡立てる。

3・2に水切りヨーグルトを加えて、パンに塗れる固さになるまでさらに混ぜる。
  加えるヨーグルトを増やすと、よりさっぱりめに仕上がります。好みに合わせて加減してください。

4・パン4枚全てに、クリームをこんもり塗る。真ん中にむかって少し多めにのせるとよいです。パン2枚分に、くし形にした桃をのせてクリームを塗っておいたパンでサンドする。上からむぎゅっと全体をやさしく押して、パン、桃、クリームを密着させる。

5・4をそれぞれラップでぴっちりとくるみ、冷蔵庫へ。1~2時間ほどねかせて、全体をなじませてしっとりさせる。

6・耳を切り落として、お好みの形に切る。

できあがり。桃はぜひ、完熟のやわらかい甘いものを!

Text,Recipe & Photo | 松塚裕子

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松塚さんの器に盛った桃サンド。
なんともおいしそうですねーー。

松塚さんからは少し前にご寄稿をいただきながら、
すぐにアップできずにすみません!!でした。
桃もピークが過ぎてしまいそうです。
ぜひ、どうぞ、お早目に。
新たな記憶の頁、おいしく綴ってみてくださいね。

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